カテゴリー別アーカイブ: セッション取材レポート

『わたしたちがセクター横断でつくる日本の未来 〜 国・行政のあり方懇談会スピンアウト セッション』レポート

20年後、30年後という近い将来、少子高齢化や人口減少により、今までのやり方では、日本社会が立ちゆかなくなります。

私たちはどう対処すればいいのでしょうか?

自分たちの問題を、自分たちで見つけ、自分たちで解決していく社会に変えていく必要があります。

と、同時に、市民だけでやるよりも、官民のセクターを越えて協力しあったほうが、効率良く前に進められる課題もあるはずです。

『わたしたちがセクター横断でつくる日本の未来 〜 国・行政のあり方懇談会スピンアウト セッション』は、「国・行政のあり方懇談会」を傍聴し、共感した小和田香さんが、スピンアウトとして企画しました。

「国・行政のあり方懇談会」は、国の主導、大臣主催、官僚運営で、民間有識者がベースだったそうです。そこで次は、市民の主導で、官僚に協力してもらい、多様なセクター間の対話をうながそうという試みです。

 

主催者、企画メンバー

会場は、GEOC(地球環境パートナーシッププラザ)です。

主催者の小和田香さんから、セッション開催の経緯や、意図についての話がありました。
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「国・行政のあり方懇談会」は、とても素晴らしいな、と思った反面、残念だなと思った部分もありました。それは、これからの日本はこうならなきゃいけないよね、変えられないことがこんなにたくさんあるんだからさ、というのはよくわかりましたが、じゃあ国はこうします、というのが、「え、なんにもないの〜?」と。(笑)

それから、せっかく国の人たちと、民間の人たちで話しているわけです。じゃあそのメンバーが、「俺これやるよ」とか「次これやろうよ」という話があるのかなーと思ったら、次のアクションが見えませんでした。

本当に一般市民の方と、国の方が、対面かつ双方向で話し合う場が、残念ながらありませんでした。であれば、たまたまフューチャーセッションウィークがあるじゃないかと。懇談会と逆のパターンで、市民の主導で、国の方を呼んでしまったらどうかと考えたんです。

 
官僚側からは、内閣官房行革推進本部事務局次長の藤城眞さん。「国・行政のあり方懇談会」のエッセンスの紹介がありました。

トークがわかりやすい上に、とてもおもしろく、官僚のイメージを良い意味で覆してくれたのが印象的でした。
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「国・行政のあり方懇談会」では、ひとことで言うと、20年後、30年後の日本はどんな社会になるの? 国や行政はどんな役割が期待されるの? ということを話しました。

“茹で蛙” ってご存知でしょうか。世の中、変わらなければいけないんだけど、まだ大丈夫、まだ大丈夫と言っているうちに、茹で上がってしまうわけです。

「これから人口が減っていく」とか、「国が借金を抱えていて、どうする?」という話をよく聞きます。みなさんの中に、不安はあるかもしれませんが、危機感はどれくらいあるのか、ということが気になっていたんです。

だったら、若い人だけ集めて、しかも女性を半分以上で、議論をしようと。これは、30年後も生きている人だけで議論をしよう、ということです。(笑)持続的な社会であるということを期待する立場からすると、何が言えるのかな、ということが知りたかったんです。

企画メンバーには、株式会社フューチャーセッションズの野村恭彦さん、有福英幸さんも名を連ねました。

 

自分とパブリック(公共)のかかわり

自己紹介のあとは、フィッシュボウルに移ります。

中央に5つの座席を置き、残りは周囲を取り囲みます。中央の席は必ず1席空けておき、話題の流れによって、話したくなった人が座り、話をするというルールです。

テーマは、自分とパブリック(公共)のかかわりについてです。
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こちらがフィッシュボウル時に、リアルタイムで作成された、イシューマッピングです。クリックして拡大すると、読むことができます。

東海大学 専任講師 富田誠氏作成
東海大学 専任講師 富田誠氏作成

 

アクションに落とし込む

3名1組のグループを作り、感想や気づきを共有しあいます。

グループごとに、これからじっくりと話し合ってみたいテーマを考えます。
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グループごとに決めたテーマについて、具体的にどんなアクションに落とし込めるかを考えて、紙に書き出します。

それぞれ発表し、全体に共有します。
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3分間の内省で、いま自分が本当にやりたいことや、アクションを確認し、紙に書き出します。

紙を見せ合いながら、①似ているアイデア ②化学反応が起きそうなアイデア ③自分のアイデアを捨ててもやりたいと感じるアイデア という基準で、仲間を見つけます。マグネットテーブルという手法です。
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最後に、その仲間で何かに取り組むとして、いちばん最初にやる行動を決め、セッション終了となりました。

 

次なるアクションへ向けて

主催者の小和田香さん。
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アウトプットをみんなでまとめるというところまでは、たどり着かなかったのですが、「このチームでこのプロジェクトやろうぜ」みたいな声が聞こえてきて、開催して良かったと思いました。

これがスタートだと思いますので、自分がこういう場をつくるという人がたくさん出てきていただきたいし、一緒にアクションしようというお誘いもお待ちしています。今日はどうもありがとうございました。

 
内閣官房行革推進本部事務局次長・藤城眞さん
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こうして市民の皆さんが主導して、進めていただいて、市民のみなさんと一緒に議論すると、色々な新しい視点や、アイデアが出てくるなと再確認しました。

さきほど、「こうしてパブリックについて語るのって楽しいよね」と言ってくださった方がいました。なかなか、パブリックについて楽しく語る場はないですけど、こうやって語ることによって、みなさん一人ひとりが社会に参加する、みたいなことができれば、もっといい社会になっていくと思っています。

最後は時間がおしてしまい、アクションのアイデアを具体化するところまでたどり着かなかったのは、今後の宿題となりました。

主催者の小和田さんもおっしゃるとおり、これが出発点です。国・行政と市民が、一緒に協力して社会を作っていこうという思いに共感する方は、ぜひ今後の動きに注目ください。

小和田香さんの連絡先はこちらです。
https://www.facebook.com/kaori.kowada

Child Future Session Week 「子ども」×「未来の家族」を考える|レポート

2014年2月13日、全国20カ所5000名の “困った” から出発し、「未来の家族」を考えるフューチャーセッションが開催されました。

 

日本財団『ママプロ』× 株式会社サイバーエージェント『Ameba mama』

主催は、日本財団『ママプロ』と株式会社サイバーエージェント『Ameba mama』の共同プロジェクト、ママ総研です。

全体の進行は、日本財団の高島友和さん。
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今日は「自分のアクションとして何ができるのか」もそうですし、私たち日本財団であったり、小笠原舞さんであったり、サイバーエージェントさんであったり、偶然集まった人たちと一緒に何ができるのかとヒントを見つけられればいいな、と思っています。

 

インスピレーショントーク

はじめに、こども、子育て支援等に関わる4名から、短い時間での話題提供がありました。

Child Future Session Week発起人であり、保育士、asobi基地代表、こどもみらい探求社の小笠原舞さん。
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会社員を経験してから、今は保育士をしています。保育現場でこどもたちと接していると、たとえば企業のアプローチで、こどものため、と言いながら、「本当にこどものためと思ってやっているのかな?」など、社会の矛盾を感じました。

保育士のほかに、Child Future Sessionから生まれた『asobi基地』の活動や、こどもたちの現場と親御さんのニーズを、保育士の専門性を活かして繋げていく仕事をする『こどもみらい探求社』の活動をしています。

いちばんやりたいのは、「こどもたちがどう思っているのか」「こどもたちに本当はどうするのがいいのか」を多くの人に考えてもらうということです。なぜなら、個人でどんなにいいアプローチをしても、家庭であったり社会であったりの影響が最も大きいからです。社会をデザインしていきたいと思っています。

孫育て・ニッポンの棒田明子さん。
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子育てではなく、孫育て・ニッポンの棒田と申します。26歳でこどもを生んで、退院したときに感じたのは、「もうこれで私たち、あなたとはおさらばですよ。ひとりで頑張ってください」という空気でした。

任意団体でお産まわり、こどもまわりをずっとやっていて気づいたのは、日本では出産がゴールという考え方になっていることです。出産後はお母さんの行きどころがないし、こどもは親の力量にまかされてしまう。サポートし合える仕組みが作れないかと、NPOを立ち上げました。

日本は冷たい社会……ですよね。が、母親は妊娠したときにスイッチが入ると言われ、父親はこどもの顔を見て少しスイッチが入ると言わます。一方で、おじいちゃんおばあちゃんも、孫の顔を見たときにスイッチが入る人が多いんです。スイッチが入ったところを、もう少しこどもに優しい社会に活かせないかと、現在の活動をしています。

株式会社サイバーエージェント『Ameba mama』から、秋田のぞみさん。
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サイバーエージェントのママ事業部では、『Ameba mama』という名称でブログやコラム、フリーマーケット、クラウドソーシングなどのサービスを展開しています。インターネットを通してママたちがコミュニケーションをとったりだとか、生活のサポートになったりだとか、より豊かに、元気になってもらいたいという思いでやっています。

日本財団さんとのママ総研の活動にあたっては、情報発信であったり、インターネット上でママの声を吸い上げて社会活動に活かしていったり、強味を活かして提案していきます。第一弾として、ポストツリープロジェクト(後述)のWeb版をリリースしました。今後も活動を広げていきたいと考えています。

Ameba mama × 日本財団ママブロ ママ総研 | Ameba ママブロ

日本財団『ママプロ』から田代純一さん。
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日本財団では様々なマイノリティ支援をしていて、5年ほど前までは、ボートレースを収益源に、NPOに資金提供する形が主でした。が、少子高齢化の影響など、みなが課題を抱えることになるだろう、という中で、財団とNPOだけでは到底担えません。企業や市民など、みんなでやっていこうという流れのなかで、「ママの笑顔を増やすプロジェクト」が生まれました。

まずは、ママの生の声を聞かなければ始まらないよね、というところで、ポストツリープロジェクトを始めました。全国のママパークやNPOと協力して、ママがママに話を聞くという形で、ママの声を集めてきました。

単に保育園に入れないから保育園を作ればいい、ということではなくて、さまざまな背景があるはずなので、推察しながらみなさんと課題解決を考えていけたらな、と思っています。

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ポストツリー 日本財団 ママプロ

 

ポストツリーから未来の家族を考える

フューチャーセッションでは、このポストツリーの “困った” を出発点とし、「未来の家族の笑顔は?」という問いを立て、対話を重ねていきます。
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3つのグループそれぞれ、話題も、話の方向性も、グループの雰囲気もまったく異なり、非常におもしろく感じました。取材しながらじっくり聞き耳を立ててしまいました。

 

未来に向けて協力して行動できるアクション

約1時間かけてじっくり対話したのち、未来に向けて協力して行動できるアクションへと落とし込んでいきます。

各グループで話された内容を、全体でシェアします。

■グループ1
・女性ならではの悩みは、なかなか男性にはわからない
・当事者意識が大切。特に、ママが置かれている状況を男性が知らないといけない
・パパがママになる日を設けるなど、男性がママの置かれている状況を知る機会をもっと増やせないか
・中高生くらいからママ業の職業体験をする仕組みを作れば、男性も理解を深められるし、女性も出産前から心構えができる
・社会の中でママに対する認識が変わり、包容力のある社会に変わっていくのではないか

■グループ2
・ママ同士が気軽に話せる場が少ないのではないか、子育て環境には地域差が大きいのではないか、という話が出た。
・前もって知っていれば不安は解消できる部分もあるので、こどもの年齢が上の世代のママの話を聞くことで、対策ができるのではないか
・自分の悩みはなかなか解決できないが、他人の悩みにはいろいろ言える。保育士ファシリテーターをたくさん要請して、地域ごとに集まれる仕組みを作る。他人の悩みについて対話する中で、本当の課題、本当のニーズが見えるのではないか
・課題をWebで共有し、その課題を解決できる人や団体とのマッチングができるのではないか

■グループ3
・ママを支援しようという流れは出てきているが、一方でママ自身に自己肯定感が育まれていないのではないか
・例えば、「いないいないばあ」をどちらからやったほうがいいのかとか、段ボールを齧るのをやめさせたほうがいいかとか、そういう些細なことで悩んでしまうママもいる
・これがないからできない、あれがないからできない、ではなく、どうしたら一人ひとりが自信を持って子育てをしていけるか
・自分の生きる力になるような話が聞けるセミナーなど、地域で集まれる場があればどうか
・ライフデザインは、年上から聞くのがいい。ベテランママ、先輩ママに話を聞ける場をつくりたい

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以上、とても多様性に富んでいたのが印象的でした。

 

リアルなママの声はここにあります

ポストツリーに寄せられたリアルなママの声を、どう活かして、ソーシャルイノベーションに繋げていくのか。

たとえば、子育て支援で何かをやろうと考えている場合に、生の声が聞きたいという場合には、これから膨大な手間を掛けずとも、ポストツリーを活かせます。リアルなママの声は、すでにここにあります。

日本財団ママプロ × Ameba mamaのママ総研は、この先も活動を広げてゆくとのこと。一緒にできることがありそうだ、という企業、行政、NPO、個人の方は、ぜひコンタクトしてみてください。

ポストツリー 日本財団 ママプロ

Ameba mama × 日本財団ママブロ ママ総研 | Ameba ママブロ

 

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「子ども× I’m OK!」in Child Future Session Week レポート

2014年2月12日、学校が地域や社会に開けた場所となるために、小学校の先生と地域の人々が、共にこれからの教育について語り合う、「子ども× I’m OK!」セッションが開催されました。

 

会場・主催者

会場は、町田新産業創造センター。
株式会社 町田新産業創造センター

主催者は、小学校の先生である中村美央さんです。独特のふわりとした物腰が心地よく、会場は柔らかな空気に包まれていました。
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こちらは、共同でイベントの企画を担った、野村総合研究所の西山恵太さんです。ジュニア・イノベーション・ラボという団体を立ち上げ、こどもたちの想像力を育むワークショップを提供する活動をされています。
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様々な人が一緒に「教育のこれから」を考える

冒頭、中村美央さんから挨拶がありました。

先生、NPOや企業の方、地域の方など、様々な所属の方が、一緒に一つのテーマについて話すことによって、感じてもらいたいなと思っていることがあります。

教育は、様々な人が何かしら興味を持っているのではないでしょうか。同じ職場、同じ分野の人と話すからこそ分かることもあると思います。一方で、様々な人が一緒に「教育のこれから」を考える意味もあると思い、このセッションを企画させてもらいました。

多様な考え方を知って刺激を受けること、自分が大切にしていた価値観に気づくこと、対話そのものを楽しむことを大切にしたいなぁと思っています。

その後は、参加者同士の自己紹介の時間です。
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テーマは自己肯定感

セッションはワールドカフェへと移ります。

実は以前に同様のセッションを開催しており、「これからの社会にこどもたちに必要な力は何だと思いますか?」という問いを立てたところ、多くのグループから “自己肯定感” というワードが出てきたそうです。

そこで今回のテーマは、「自己肯定感を育むにはどんなことが必要だと思いますか?」という問いに設定されました。

 

「自己肯定感」をテーマにしたワールドカフェ

今回、取材に行き、真っ先に実感したのは、会場の雰囲気のよさです。過度に緊張をしている参加者は見当たらず、とてもゆったりとした空気が流れていました。

主催者の中村美央さんを中心とする人と人のつながりが、安心感を生んでいるのかもしれません。
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全体でシェア

最後に、ワールドカフェの成果を全体で共有します。

あるグループは、

・自己肯定感とは何かを考えると、「誉める」「叱る」がキーワードになるのではないか
・教育現場の中で、どういうふうな成功体験をしてもらえればいいのか
・「自己肯定感」をもっと平たい言葉に置き換えればいいのではないか。「自分を見つけていく」「自分を発見する」など
・こどもたちに生き物を育てさせ、自分たちは生きている、これからも生きていくというリアリティを実感してもらえば、自己肯定感に繋がるのではないか

別のグループは、

・結論として、「話す」のがいいのではないか
・最初は「誉める」のがいいのではないか、教育現場や家庭が同じ方向を向いてみなで育てていくのがいいのではないか、という話をしていた
・が、自己肯定感が育まれていないこどもにどう接していけばいいかと考えると、人とのコミュニケーションの中で共感したり、自分の気持ちを伝えたり、自分を見つめ直したりが必要ではないか
・叱るにも信頼関係が必要で、それは「話す」ことで育まれるのではないか

また別のグループは、

・キーワードは2つ。一つは「本気」
・こどもたちが何に本気になっているのかを知ることは、自分たちにできることなのではないか
・なぜなら、本気でやってないことを誉められても嬉しくないから
・また、本気で誉める、本気で叱る、など本気具合は伝わるのではないかと思う
・もう一つのキーワードは「小さなことを一緒に喜ぶ」
・「誉める」ではなく「一緒に喜ぶ」ではないか

など、まさに千差万別な対話が展開されていました。とても豊かな場であったと感じました。
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一緒に対話を企画しませんか

最後に、中村美央さんから呼びかけがありました。

セッションを見ていて、「同じ職場のこの先生が、こんなことを考えていたんだ!」という驚きがありました。話すって本当に大事だなと思いました。私の野望としては、こういう対話をクラスの保護者の方たちとできたらいいな、と思っています。

これを続けていきたいと思っているので、一緒に企画しましょう、という方がいたら、ぜひ声を掛けてください。

「地域や社会に開けた学校」に共感する方、取り組みが気になる方は、ぜひ中村美央さんまでコンタクトしてみてください。

Facebook – 中村美央

 

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