“今までのストーリー”から“新しいストーリー”へ。『フューチャーセッション・ウィーク2013 プレ・セッション』レポート

5月31日(金)〜のフューチャーセッション・ウィーク2013を控え、主宰する株式会社フューチャーセッションズが、各々のセッションを磨き上げ、仲間を見つけるためのプレセッションを開催しました。

フューチャーセッション・ウィーク2013のテーマは、「未来の新しいストーリーを発見しよう」。こんなキャリアを歩めれば満足、こんな人生を送れば幸せ、とみんなが信じる“物語”が、大きく変容し始めています。“今までのストーリー”から“新しいストーリー”へ、楽しそうにシフトしていく人の姿がたくさん見られれば、社会は動きます。

自分自身の新しいストーリーを見つけ、仲間たちと共有できるセッションを生み出すための、フューチャーセッション型ワークショップをレポートします。

 

日本全国からフューチャーセンター界隈の人々が集結

会場はK.I.T.虎ノ門大学院。首都圏はもちろん、山梨、高松、静岡、北海道、大阪、愛知、三重、山口……と日本全国から集結し、最大150名収容の大きな会場がほぼ満員となりました。
presession0

 
これだけの人々が集うと、さすがに圧倒されるような熱気です。また、フューチャーセンターに期待する人が、これほどまでに増えたのだという事実を実感できます。
presession5

 
FutureCenterNEWS JAPAN読者の多くにとってはお馴染みでしょう、株式会社フューチャーセッションズの面々が、プレ・セッションを牽引していきます。代表取締役の野村恭彦さん。もちろん、メイン・ファシリテータです。
presession1

 
シニアマネージャー、『OUR FUTURES』編集長の有福英幸さん。
presession2

 
マネージャー・筧大日朗さん。
presession3

 
先日、株式会社フューチャーセッションズが、生きるように働く人の仕事探し『東京仕事百貨』へ求人を掲載しました。たくさんの応募があった中から、フューチャーセッションズの一員になったのが、こちらのYuta Uwaiさん。
presession4

 

イントロダクション:未来を創る機能として広がりを見せるフューチャーセンター

presession6

ファシリテータの野村さんから、イントロダクションとして「フューチャーセンターは最初に企業が関心を持ち始めたが、徐々に個人の活動が活発になり、今はさまざまな自治体や機関が、未来を創る機能として、まじめに採用し始めている。誰かが考えて一方向に説明する、というだけでは変えられない状況を、最初から様々な人たちが集って、一緒に考えて一緒にアクションしていこうという動きが広がっている」というフューチャーセンターをめぐる状況の整理がありました。

また、「フューチャーセンターは様々なセクターの人が集って、関係性がつくれれば、物事をブレイクスルーできるかもしれない、というところが出発点。今日も多種多様なセクターから参加者がいる。ひとつのテーブルで対話すると「こんなことをしたらおもしろいんじゃないか」ということが見つかるかもしれない。また他のセクターのセッションに参加するだけでも、自分のチャンスが見つかるかもしれない」とのメッセージがありました。

 

フューチャーセッション企画のポイント

テーブルごとに、2分程度の短い時間で自己紹介をし合ったあと、野村さんから、フューチャーセッションを企画する際の留意点が語られます。

  • フューチャーセッションは方法論ではないので、好きな方法でセッションをやっていい
  • 「みんな未来をつくるために集まっている」という前提が、フューチャーセッションの条件(例えば、意見を一方的に伝える講習会のようなものは悪い例)
  • 主催者に固定的な意見があると、フューチャーセッションにはなりにくい
  • 主催者は「どうしたらいいだろう?」と問いかけ、みんなの知恵を使って解決する
  • 主催者は、その問いを誰(どんなセクターや世代)と一緒に考えたいのかを考える
  • 一緒に考えたいと思う人たちが参加したくなるようにデザインする
  • 様々なセクターから人を集めるので、参加者同士が互いを理解し合う時間をしっかりとり、またお互いの意見や価値観に耳を傾け合うような場をつくる
  • 関係性ができれば、テーマに興味がなかった人を巻き込める。まったく違うからこそ、様々なアイデアが出る
  • つまり、自分に関係なさそうなセッションに参加するのは、実はそれだけですごく助けになる。逆に、自分が気づきを得ることもある
  • こうした「お互い様」の関係ができると、セッションがどんどんやりやすくなる。セッションをどんどんやっていこうとする人は、積極的に様々なセッションに参加するといい

特に最後の2点が、とても印象に残りました。

個人的には、参加したくなるフューチャーセッションの基準は、テーマではありません。異分子を歓迎してくれそうかどうかが一番気になります。

「地域のセッションだから、地域の人来てください!」など、関係者ばかりを中心に集めたいように見えるセッションは、どんなにテーマに関心があっても、二の足を踏んでしまいます。単純に飛び込んでいくのが不安ですし、それでフューチャーセッションのメリットが出せるのかな? と感じてしまうからだと思います。

 

仲間を集める:マグネットテーブル

自分のセッションを磨き上げるための仲間を見つけます。

自分のテーマを書いた紙を掲げながら、なるべく多くの他人のテーマを見て、ピンと来た人と4〜5名ほどのグループをつくります。

ルールはこのとおり。特に3番目の、「自分の書いたものを捨ててもいいと思える案を書いている人」という条件がおもしろいですね。
presession7

 
最初は戸惑いや緊張が表情に出ている方も散見されましたが、徐々に場が練り上がっていきます。
presession8

presession9

presession10

presession11

presession12

presession13

 
グループができたところから、テーブルについていきます。
presession14

 
徐々に固まってきました。
presession15

 
見ていて圧倒されたのは、テーブルについた人々が、自然に引き込まれるように、活発な会話を始めたところです。ファシリテータからは何の指示もありませんでした。
presession16

 

プロトタイピング:セッションを魅力的に伝える『エンパシーライティング』

続いては、主催するセッションを魅力的に伝えるために、共感を得るライティングのコツを学ぶワークショップです。

ワークショップ講師は、ライティング・デザイナーの中野功(なかの こう)さん。
presession17

 
中野さんが開発した『エンパシーチャート』を埋めていきます。
presession18

presession19

presession20

 
こうしたライティングは本来、論理的に考えれば答が出るはずものです。がしかし、ある程度のスキル・経験が必要なのは事実ですし、文章に苦手意識のある方もいます。

『エンパシーチャート』の凄いところは、チャートを順番に埋めていきさえすれば、論理的に考える作業の順を追っていく結果になり、誰にでも共感を呼ぶ文章を作成できてしまうところです。実際に試した方々のあいだでも好評だったようで、ツイートされていた方もいました。

 
『エンパシーチャート』を元に生み出されたストーリーを元に、30秒で相手を説得できるかチャレンジ。
presession22

presession21

 
野村さんが「一方しか手を挙げなかったら、気まずくなりますよ」と茶目っ気たっぷりに前置きをしつつ、ペアを組んだ相手のセッションに行きたくなった人は手を挙げてくださいと尋ねます。
presession23

 
この頃にはもう、フューチャーセッションならではの一体感を強く感じることができました。

最後に、これまた冗談めかして、「いつセッションをやるか迷わないように、いま決めてしまいましょう」と、自分のテーマを書いた付箋を、希望する日付の欄に貼っていくよう指示が出ます。

100名分以上の付箋が貼られると壮観です。このうち、実際にどのくらいのセッションが開催されるのでしょうか?
presession24

 

未来シナリオをつくる:“今までのストーリー”から“新しいストーリー”へ

休憩を挟み、野村さんがフューチャーセッション・ウィーク2013のテーマ「未来の新しいストーリーを発見しよう」について、核心へと切り込んでいきます。幸せって何だろうかという物語、例えば、何歳で結婚して何歳で家を買って……が、明らかに変わってきているんじゃないか、という提起がされました。

昔の物語に違和感を抱き、新しい物語で生きたほうがいいと感じている人があちこちにいる。が、他人と共有できないので生きにくい。みんなと一緒なら安心だが、古い物語には違和感があるので、落ち着かないというわけです。

野村さんは「震災前後を考えても、実は日本から世界に発信すべき新しい物語が生まれている。フューチャーセッション・ウィーク2013は、このような新しい物語をたくさん生み出す機会にしたい」と語ります。

 
新しいストーリーを実現するため、未来の可能性を広げるための“シナリオ”を考えるワークショップが始まります。
presession25

 
各テーブルごとのテーマについて、変化の兆しをブレインストーミングで抽出していきます。集めた変化の兆しを分類し、最もインパクトが大きく、不確実性の高い兆しを選びます。大きな2つの変化が同時に起きたとしたら、どんなシナリオが想像できるかを考えます。
presession26

presession27

presession28

presession29

 
様々な未来シナリオを考え、共有できれば、「どんな未来になっても対応できるように行動しよう」であったり、「そのうちの1つのシナリオに皆が強く共感できたから、じゃあ実現するためにどうしたらいいのか考えよう」であったり、アクションに繋げられます。正しいシナリオを考えようとするのではなく、視野を広げるために使うと有効なメソッドと言えます。

 

ホスピタリティやファシリテーションのポイント

野村さんより、以下の話がありました。

  • 机が整然と並んでいるとかしこまってしまう。今日のような会場だったらちょっと机をずらしておくだけでも変わる
  • スタート前、参加者がシーンと待っていないように、ちょっとしたタスクと用意しておくなどするといい
  • 多種多様な人が集まっているので、ちょっとだけ話をしてもらうのは一つ方法
  • ただ、みな「対話したい」と思ってきている。長いスピーチは参加者の体温を下げる
  • みんなが盛り上がるような問いを出して、なるべく早く対話してもらう
  • 当事者にプレゼンをしてもらうようなときは、先に参加者それぞれが自分の頭で考える機会を作ったほうがいいケースもある
  • 関係性をしっかり構築する時間をつくる。関係性ができないと、その場がよくてもその後の広がりがない
  • 個人が気づきを得るのが一つの大きな目的。うまくデザインする
  • みんなでアウトプットを出す。一つの答でなくてもいいので、共同で作業することが大切
  • 最初に考えた問いをそのまま考えて終わるような場合は、うまくいっていないかもと考えてほしい。セッション中のモヤモヤだったり不満だったり、揺らぎを大切に、臨機応変に
  • ときには立ち止まって、深く考える時間をとってみてもいい

「いま、実際にセッションを開催する気でいる、という人はどれくらいいますか」と野村さんが問いかけます。

セッションを開催する人はグー、しない人はパー。ざっと見た印象では、100人を超える人々の6割7割がグーを挙げていました。
presession30

 

「次」を視野に入れてセッションの企画を

野村恭彦さんの指名で、ボブ・スティルガー氏が総括します。「2年前は7人とフューチャーセッション・ウィークを一緒にやりましょう、と話したのに、今はこんなにも多くの人がいて驚いている。古いストーリーだけじゃないと気づき始めた人たちが、じゃあ新しいストーリーとは何なのか見つけようとしている。みなと一緒に新しいストーリーを見つけることに、本当に興奮している」。
presession31

 
最後に野村さんから「せっかくセッションが盛り上がっても、何となくいいねで解散しては霧消してしまうかも。「次」を意識してセッションを企画してほしい」とのアドバイス。テーブルごとに今日の気づきを共有して、解散となりました。
presession32

presession33

presession34

 
解散後も非常に和やかな雰囲気で、名残惜しいかのように語り合う人の姿がたくさん見られました。
presession35

presession36

 

異分子のあなたの参加が、実は助けになる!

2013年のフューチャーセッション・ウィーク、いったいいくつのセッションが開催されるのでしょうか。期待を抱かせるプレセッションとなりました。
presession37

  • つまり、自分に関係なさそうなセッションに参加するのは、実はそれだけですごく助けになる。逆に、自分が気づきを得ることもある
  • こうした「お互い様」の関係ができると、セッションがどんどんやりやすくなる。セッションをどんどんやっていこうとする人は、積極的に様々なセッションに参加するといい

フューチャーセンターに期待する私たちが、フューチャーセンターを盛り上げる簡単な手段の一つとして、セッションに参加する、というものがあります。

野村さんが語ったとおり、自分の分野とは異なるセッションに参加することが、実はその場に新鮮な価値観や意見を持ち込む結果になり、大きな助けになります。

セッションをどんどん開催していきたい人にとっても、こういった「お互い様」を積み重ねることで、人が集まりやすくなるメリットがあるわけです。

この機会に、守備範囲に関係なく、おもしろそうなセッションにどんどん参加したいですね。フューチャーセッションウィーク2013は5月31日(金)〜6月8日(土)。とても楽しみです。

【フューチャーセッション・ウィーク2013で開催されるセッションをチェック!】
OUR FUTURES

 

Facebookページに参加してください

FutureCenterNEWS JAPANの最新情報は、こちらでチェックできます。